自分の葬儀を準備する|家族がいるケース、一人暮らしのケース

家族がいるときの葬儀準備

 

かつては介護や看取り、葬儀など全て家族の役割でした。

しかし今は家族がいる場合、いない場合どちらも葬儀や死後のことを自己責任で生前から考えておこうという人が増えています。

家族はいても離れて住んでいることも多く、「子どもに迷惑をかけたくない」と考える人も多くなっています。

 

ちょっと古いデータになりますが、2001年の東京都生活文化局の調べによると自分の葬儀のために準備をしている人が約35%いました。

準備の内容は生命保険に入ったり葬儀費用を貯金したり、互助会に入ったりして金銭的に備えているというものが主でした。

 

家族に迷惑をかけたくない、あてにできないという思いが交錯してのことのようです。

 

自分の葬儀について家族と話しておく

もし家族がいるなら、あらかじめ自分の考えを話しておくことはとても重要です。

先の調査結果でも家族に自分の葬儀の話をしているという人は40%以上います。

 

現在ではこの数は増えていることが推測されます。

自分の希望を伝えておくメリットは家族が「希望に沿ったものにしてあげたい」という心の準備ができること。

いざ亡くなった時に迷ったり悩んだりすることが少なく、スムーズに葬儀を行えることなどがあります。

 

家族が離れた場所にいるときはメールや電話で始めましょう。

 

具体的なプランを残しておく。曖昧なことが多いと本気にされない

自分が死んだら骨を海にまいてほしい

 

このように言われて、本気で実行する家族は少ないです。

実行可能なプランをたてて家族にきちんとその意思が伝わるようにしましょう。

 

自分の葬儀の準備としてチェックしたいのはエンディングノートに記載してある内容と重なることが多いです。

具体例でいうと、葬儀の準備や認知症になった場合、終末期の処置などしっかり決めて話し合っておきます。

一人暮らしのときは

配偶者に先立たれたり離婚したり、独身で過ごしていたり、一人暮らしの高齢者は今やかなりの数になります。

子どもはいても遠くにはなれていて一人で暮らす人もいます。

 

元気な時の一人暮らしはいいですが、死が近づいたときは死後のことを託す人が必要です。

人がなくなったあとに生じる出来事は想像以上に多いです。

  1. 身内が誰もいないとき、葬儀はできるのか
  2. 死亡診断書は誰がもらい、死亡届は誰がだすのか
  3. 火葬に立ち会って骨を拾い遺骨を納めてくれるのは誰か
  4. 賃貸住宅に住んでいる場合、返還手続きや片付けは誰がするのか
  5. 公共料金や税金の支払いは誰がするのか
  6. 入院していた病院の支払いや後始末は誰にしてもらえばいいのか

ここにあげた以外にも不安に思うことはいろいろあるでしょう。

ある人はNPOの公正証書による生前契約を結んで不安を解消し旅立ったということです。

 

生前に死後の委託をするには公正証書を残す

一人暮らしの人は終末期や死亡後のことを誰かに託さなければいけません。

何をどのように誰に委託するのか元気な時に契約や遺言を公正証書にして残しておくことができます。

身寄りのない人でも葬儀や死後の諸手続きの代行サービスを行っている団体と生前に契約をして公正証書を残しておくと安心です。

 

最近では行政書士が死後の手続き代行を行ってくれるところが多いです。

大事な書類はわかり易いところに保管

万一の時を考えて、連絡先などは部屋のわかり易いところに貼っておきます。

 

財産目録や重要書類などは銀行の貸金庫を利用すると安心です。

貸金庫などを利用したときは代行サービスの人にも伝えておきます。

健康保険証などはすぐわかるところに保管しておきましょう。

終末期の処置について

生前準備のシステムでは任意後見契約を行っているところがあります。

  1. どの病院で度の意志にどのような治療を受けたいのか
  2. 病名・病状の告知をどうするか
  3. 任意後見人を誰に依頼するのか
  4. 延命治療をどこまでのぞむか
  5. 臓器提供や献体の希望はあるか
  6. 医療費の支払いはどうするか

 

など自分の意志をはっきりしておきます

信頼できる友人に託す人も

家族でなくとも信頼できる友人に死後を託すという人もいます。

葬儀は友人を施主にすれば一般の葬祭業者でも請け負ってくれます。

 

友人に自宅の片付けを託す場合は「負担付きの遺贈」をする場合があります。

財産をあげるかわりにこの処理をしてくださいという条件付きで財産を遺贈するということです。

 

友人に通夜・葬儀を執り行ってもらい死後の事務処理をお願いすることを条件に遺産の一部を友人に贈与するのです。

 

生前の準備がなければ

身寄りがなく、生前予約などもなされていない場合は自治体が遺体を火葬し収骨します。

遺体の引き取りと財産処理のため、故人の相続人を探しますが、相続人がいなければ財産管理人が自治体から委託されてすべてを処理します。

 

ですが、これには大変な時間と費用がかかるのです。

 

任意後見制度とは

判断能力の低下に備えて、成年後見人という制度があります。

その中でも「任意後見制度」は高齢者の認知症への備えです。

 

判断力があるうちに信頼できる人を後見人として選んでける制度で、複数指定することもできます。

契約は公正証書の形で結んでおきます。

 

後見人は依頼人の判断が衰えたときに契約内容に基づいて生活支援や療養看護、財産管理、介護保険の手続きなどを行います。

どんな援助を受けたいかあらかじめ考えることから始まります。

つぎに任意後見人を選びます。

依頼する内容を決めます

公証役場で任意後見契約を結びます。

 

実際に判断力が低下したら

家庭裁判所に後見開始の申し立てを行います。その後、任意後見契約による援助が開始されます。

 

※公正証書とは

公証役場・公証人は,遺言や任意後見契約などの公正証書の作成,私文書や会社等の定款の認証,確定日付の付与など,公証業務を行う公的機関(法務省・法務局所管)です。中立・公正な公証人が作成する有効確実な書面を残すことにより,争いを未然に防ぐことができます。

引用元⇒日本公正証書連合会:http://www.koshonin.gr.jp/business/b02

 

本人の意思を明確にするエンディングノート

エンディングノートとは自分の終末期や死後のことについて家族や友人に伝えたい事柄を記録したノートです。

 

法的な拘束力はありませんが、本人の意思を明確にするという点で家族や親族間でもめ事が起こった時などに効力を持ちます。

 

特に地方で家族葬やお墓の形式など新しいスタイルに対応する場合は、親族に反対されて家族が困らないように、本人の直筆で理由を記しておきます。

終末期の治療の選択、臨終に立ち会ってほしい人、家族葬に参列してほしい人、などを明記しておけば家族も「どこまで声をかければいいのか」悩まずにすみます。

 

死亡の通知を出すリストを作るために住所録を整理しておきます。

自分の歴史や家族一人一人への感謝の思いをしっかりと記すこともノートの大事な役目です。

 

一つ注意点は相続のことです。

相続の内容によっては揉めることがあります。法的拘束力をもった遺言状として別に作成して意思表示をしておきます。

 

エンディングノートの書き方

エンディングノートに書き方はきまっていません。

とはいえ、内容が明確にされている方がわかり易いです。

 

市販のものだとアマゾンなどの通販で手に入れることができますし、最近では葬儀業者の見学でもらえることもあります。

エンディングノートは一度書いたら終わりではありません。

1年に一度誕生日に内容を見直すなど、何度でも書き直してかまわないのです。

 

具体的にわかりやすく書くには

イメージをつらつらと書き連ねるよりも、箇条書きにして具体的にどうしたいか書く方が見る人にとってわかりやすいものになります。

一例をあげます

  1. 任意後見人の名前
  2. 加入している保険(介護保険を含む)
  3. 延命措置をどこまで希望するか
  4. 最後にあっておきたい人
  5. 臨終に立ち会ってほしい人
  6. 訃報を知らせてほしい人・不要な人
  7. 葬儀に対する希望
  8. 喪主は誰にするか
  9. 通夜・葬儀の場所
  10. 葬儀の費用
  11. 会葬返礼品・香典返しの希望
  12. お墓の希望
  13. 形見分けのリスト

具体的に書いておくことで本人にとっても心の整理をつけられるという利点があります。

また、残りの人生を充実したものにできるでしょう。

エンディングノートは家族のわかる場所に置く

必ず家族がわかる場所に置いておきます。

本人がなくなった後に家族はエンディングノートを読むことで動揺を落ち着かせながら作業をすすめることができます。